
課税免除が適用になるかどうかの審査が行われる。ただし、課税を逃れるために意図されたイベントは免除の対象とはならない。 目的事業のための資金集めの収益事業については、クリスマス・カードの販売、通信販売カタログの郵送、小売り店による販売、コンサートなどがあげられるが、これらについては課税対象となる場合もあれば、ならない場合もある。例えば、寄付された物品の販売は、外見上は小売店による商品の販売と同じであるが、その販売品の入手方法が異なっており、一般的には課税対象とはならない。またVATも免除されることがある。また、大学がその施設を外部の会議等に賃貸する場合、学校が放課後に体育館をクラブなどの利用させる場合、教会がその敷地を駐車場として貸す場合などは、事業収入としてではなく、賃貸料収入に区分されるが、賃貸料収入に対する非課税の取扱いは事業収入の場合より幅広いため、課税免除になる可能性が高くなる。 非課税の取扱いを受けない収益事業に関しては、その収益に対する課税を減免する方法として、チャリティが事業会社を設立して、その事業会社がチャリティに対して収益を寄付する契約を結ぶという方法がある。これは「収益分割契約」(profit−shedding deedsof covenant)と呼ばれており、寄付を受けたチャリティにとってその寄付は事業収益ではないため、目的事業に使われることを前提するのは当然であるが、課税が免除となる。この契約は会社とチャリティとの法的契約であり、課税減免申請書類ではない。 事業会社はこの契約に基づいて寄付する金額を法人税から控除することができる。所得税については、会社に対する減免はないが、会社が払った所得税額がチャリティに還付されるという仕組みである。会社は、まず寄付金額からその金額に対応する所得税額(25%)を計算し、その額を引いた金額をチャリティに寄付する。所得税は所得税として納めるが、チャリティは会社が納めた所得税分を内国歳入庁に申請することによって還付される。例えば、10万ポンドを寄付する場合、会社は所得税額の2.5万ポンドを引いた7.5万ポンドをチャリティに寄付し、チャリティが所得税2.5万ポンドの還付を受ける。この制度は、チャリティによる収益事業会社を想定している制度であるため、会計年度末での決算において利益が確定した場合に調整できる仕組みが設けられている。すなわち、上の例で、10万ポンドを寄付する予定であったが、決算において利益が2万ポンド少なくなり、最終的に寄付額を8万ポンドに変更したい場合には、所得税の減額に伴う還付や法人税の変更などが可能となっている。 それに対し、個別寄付(Gift Aid)という制度は、法的な契約である収益分割契約を取
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